FM.Hi ゆうラジ!Radio魂内「静大スタイル」に本学第三期若手重点研究者出演企画 第13回目は、工学部 安富 啓太(やすとみ けいた)助教が出演しました
FM Hi「ゆうラジ!Radio魂(76.9MH)」内の「静大スタイル」のコーナーは、本学の公認サークル団体「CUE-FM放送研究会」が司会を務め、毎週木曜日夕方5時23分から5時53分まで放送している番組です。この番組は、私たちが学ぶ静岡大学の先生をより身近に!をコンセプトに第3期若手重点研究者に選定された教員に隔月で出演いただいています。
今回のゲストは、工学部 安富 啓太(やすとみ けいた)助教で、7月19日(木)に生出演いただきました。
安富先生の専門は、「電気電子工学」。藤枝市生まれ、静大出身です。今回は、先生の研究内容から学生時代の話など、日頃大学では、聞くことのない内容にもお話いただきました。
【先生の専攻は】
電気電子工学が専攻で、撮像素子?集積回路がメインのテーマです。主にCMOSイメージセンサに関する撮像デバイスの研究を行っています。イメージセンサは「電子の目」で光を電気信号に変える役割を持っているICチップのことです。一眼レフカメラをお持ちの方であれば、レンズ交換の時に見ることができます。本学の特任教授の寺西さんがエリザベス女王工学賞を取られたテーマで、最近話題になりました。
【具体的な研究の内容は】
特に力をいれて取り組んでいるのが、光の飛行時間を利用して距離を計測するTime-of-Flight(TOF)距離(3D)イメージセンサの研究です。光源から照射された光が、対象物にあたってカメラに帰ってくるまでの時間を計測し、既知である光の速度から距離を算出する手法です。TOF距離イメージセンサでは明るさを測る機能に加えて、時間を高精度に計測する機能が求められます。計算コストが低くてリアルタイム計測が利点で、近距離、中距離、長距離と様々な応用に対して研究を進めています。光は速く1ナノ秒で30cm進んでしまうので、高精度化が課題の一つです。我々が進めている高分解能化を目指している素子では、100μmを切るレベルまで来ていて、時間にしてピコ秒以下の時間計測が可能になっています。
【先生の研究のきっかけは】
就職活動中に半導体集積回路の設計に興味を持ち、卒業研究で電子工学研究所の川人先生の研究室に入ったことがキッカケです。自分の設計した素子で、画像が出力されたには非常に感動しました。修士課程修了後で就職しようと思っていましたが、自分がどこまで出来るか試したい気持ちがあり、博士課程まで進みました。
【先生の研究は実生活のどのような場面で活かされますか】
一般的なTime-of-Flightの応用で言えば、ジェスチャー認識によるリモコンなしでの機器の制御が一番期待されています。高精度なTOFイメージセンサでは、工業製品の検査などへの応用を考えており、小型で、扱いの簡便なスキャナ装置ができればと思っています。長距離用途のもので言えば、今話題の自動運転が応用のひとつです。自動車も含めて様々なものが自動で制御される時代がきますが、そういった機器の「目」には距離撮像素子が必要なので、我々の技術が活用されることを願っています。
【大学ではどのような授業を担当していますか】
講義では学生実験や電磁気学の演習を担当しています。学生実験は抵抗の測定や論理回路の組みたて、ディジタル信号処理やパワーエレクトロニクスなどを担当しています。電磁気学は電気電子工学の基礎となる学問ですが、難解で挫折する学生が多いです。私も苦手でしたので、なるべく分かりやすい説明を心がけています。
【先生は学生時代どのような学生でしたか】
あまり真面目ではないほうの普通の学生だったと思います。バイトやサークル活動をしていましたが、もっと勉強しておけばと後悔しています。学部4年生の時に就職活動をキッカケに自分の将来やりたいことについて真剣に考えたことと、卒業研究で研究室に配属してから、研究の楽しさ?これまでの勉強の活かし方を知って、180度生活が変わりました。そこからは、修士?博士課程と研究が生活の中心になっていました。研究室に入り浸っていて、家には寝るために帰るといった生活でした。修士課程の時にインターンシップに行って、研究室での勉強が役立つと知れたこともあり、研究に日々没頭していました。
【静大にはどのような学生に来てほしいですか】
なんでも勉強と思って、前向きにチャレンジする学生さんと研究をしたいと思っています。特に研究室の活動では、自分の出来ることが増えることに喜びを感じてほしいです。
【一曲リクエストしてください】
FUNKY MONKEY BABYS 「ヒーロー」でお願いします。