節目の年を迎えて ~過去、現在そして未来へ~
静岡大学は、新制国立大学の一つとして1949年に創設され、昨年(2024年)75周年を迎えました。
創設にあたっては、全県下で静岡大学を支援する取り組みがなされ、全県民の期待を背負って誕生しました。まさに、「オール静岡」の支援と協力が過去と現在の静岡大学の教育研究活動の原点であり、今日まで、文系?理系学部を有する総合大学として、静岡県内はもとより、日本においても確固とした地歩を築いてきました。
私の2期目の開始となる2025年は、静岡大学の創基とも言うべき静岡師範学校の設立から150年を迎えるとともに、新制大学で唯一の理工系附置研究所である電子工学研究所を設置して60周年、そして今日の高度情報化社会を先取りした取り組みと言える情報学部の設置から30周年を迎えます。
さらに、2026年は、テレビジョン技術の開発により社会(産業界)に絶大な貢献をされた高柳健次郎先生(本学の前身の浜松高等工業学校助教授〈当時〉、本学名誉博士)が世界で初めて「イ」の字の受像に成功して100年となります。
静岡大学は、長い歴史と伝統を誇りに、これからも一貫して静岡県における中核大学としてその使命と役割を発揮していくことで、未来へ進んでいきます。
2024欧洲杯线上买球_欧洲杯投注在哪买-app下载静岡大学長
日詰 一幸
静岡大学のポテンシャルを活かす
~未来創成ビジョンに基づく「攻めの改革」~
これからの静岡大学は、明確なビジョンのもと、教育?研究両面での発展を目指し、これまでの対話と熟慮から「攻めの改革」にシフトチェンジしていきます。
主な取り組みとして、研究面では「世界を先導する研究拠点の構築」と、「研究力を高める体制の強化」を通じて先端研究を推進し、世界最先端の研究成果の創出を目指します。
教育面では、「『総合知』と『専門知』を有機的に結合させる教育体制の構築」や「静岡大学のグローバル化の一層の推進」、さらには「社会連携?地域貢献?地域で活躍できる人材育成」を通して本学における総合的教育体制を整備し、地域に貢献する人材の輩出を目指します。
加えて、「財務?経営基盤強化ならびに管理運営効率化」、「教職員の働きやすい環境整備ならびにダイバーシティの推進」、「高等教育機関等との連携強化」といった取り組みにより、強固な経営?運営基盤を構築します。
これらの取り組みを通じて、「未来創成ビジョン」で示した9つの目標の実現を目指し、キャンパスのある県中部、県西部だけではなく県東部にも教育?研究?地域貢献活動を展開していくことで、県全域における共創の取り組みにより「オール静大」でポストSDGsを見据えた地域課題解決に取り組み、世界に展開します。
■「静岡大学未来創成ビジョン」の 目的と9つの目標
静岡大学の将来
~「リセット」と「一体感」によるリニューアル~
少子高齢化や人口減少、環境問題などさまざまな社会課題が複雑多様化し、先行きを見通すことが難しい時代である今、静岡大学には、物事の本質を読み解き、さらに科学技術の進歩と発展に一層の貢献をする「知と人材の拠点」として、地域社会から更なる期待が寄せられています。
静岡大学は、今後も地域社会から期待される役割を果たすため、多様性を重視し(多)、柔軟性をもって社会の動きに対応し(柔)、創造性を発揮して新たな改革の取り組みを推進していく必要があります(創)。
私は、2025年をリセットの年と位置づけ、「自由啓発?未来創成」(2008年策定)の基本理念を継承?発展させるとともに、「多?柔?創」を重視した大学運営?経営を心掛け、未来を切り拓く教育研究を進めるために、一体感を損なうことなく、教職員が一丸となって静岡大学を力強く前進させていきます。
これまで総合大学として培ってきた教育研究成果を一層充実?発展させ、現状を変革して強い大学を築き上げること、つまり、世界水準の大学をつくること、それが2期目となる私の目指す静岡大学の姿です。