【情報学部】 西村 崇宏 講師がFMしみず「日曜ネイチャーランド」(9/22)に出演しました
FMしみず「日曜ネイチャーランド」内の「生きるチカラ」のコーナー(午前11時30分頃~)には、毎週第4日曜日に静岡大学の研究者が出演し、パーソナリティのしなっちさんと、楽しく最新の研究等についてお話しています。
9月22日(日)は、情報学部行動情報学科の西村 崇宏 講師がスタジオ生出演。
専門分野である人間情報学や感性工学、現在取り組んでいる障害のある子どもたちの教育活動におけるICT活用についてお話しました。
■ インターフェースとは?
スマホを操作したり、音楽を聴いたり、私たちが何か情報のやり取りをするときにはさまざまなデバイスが介在します。
例えば、視覚障害のある方は、文字を読むときには点字を使ったり、歩くときには白杖を使って路面の情報を手に入れたりします。
こうしたモノと人の間で情報のやり取りをする接面のことを、インターフェースと呼びます。
現在は主に、障害のある方々が情報にアクセスしやすくなるためには、インターフェースをどのようにデザインすればよいかといったことを研究しています。
視覚障害の程度は人によって異なり、100人いれば100通りの見え方があるといわれています。
単一のデザインで多様な人々のニーズ全てを満たすことは難しいですが、多くの人々に共通する因子は何で、パーソナライズすべき因子は何かということを探ることで、インターフェースデザインにかかるコストを低下させることができます。
■ 特別支援教育におけるICT活用
特別支援学校にも、紙の教科書や実物教材に加えて、デジタル教科書やVR(Virtual Reality:仮想現実)などのICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)機器が導入されてきています。
例えば、VRを使って世界一大きな水族館を見に行くなど、実際にはなかなか体験できないことを活動に取り入れることができるようになってきています。
特別支援学校の先生方と協力して、こうしたICTの効果的な活用法を探る研究を行っています。
■ 視覚障害者に対するICT機器の効果と使用環境の整備
視覚障害のある方にとって、スマートフォンやタブレットは、音声読み上げや画面拡大の機能を併用することで様々な情報に主体的にアクセスでき、生活の質を大きく向上させるための無くてはならない機器になりつつあります。
学校現場で使われるICT機器にもこうした様々な機能が備わっており大変効果的ですが、子ども一人ひとりのニーズへの対応や、先生方の様々な授業スタイルに応じた運用を考えると、適切なICTのデザインもまた異なってきます。
学校の教育活動の中で、何のためにICT機器を使うのかといった基本を見失わずに、より良いインターフェースのデザインを先生方と一緒に考えていきたいです。
■ 自分が面白いと思うことを追求しよう
大学時代にお世話になった先生の「はじめから誰かの役に立とうなんて考えなくていい」という言葉を今も思い出します。
自分がまず面白いと思うことを追及していった結果、誰かの役に立つかもしれない。
そんな思いを大切にしながら、今後も地道に研究を進めていきます。